スキルマップとは、人材育成や管理に役立つツールの1つです。
社員ごとに何の業務がどこまでできるのか、不足しているスキルは何かが一目で把握できます。
とはいえ、具体的な内容や活用の仕方がよく分からず、導入していない部署も多いのではないでしょうか。
今回は、営業職向けのスキルマップの概要や項目例、具体的な作り方などについて紹介します。
スキルマップとは、業務に必要なスキルや能力を項目化し、基準に則って評価をつけたものです。
企業によっては「力量管理表」などとも呼ばれています。
一方の軸にスキル項目を、他方に営業社員の氏名を並べ、軸が交差する欄に評価数値を入れる方式が一般的です。
営業職でスキルマップを作成する大きな目的は、「営業社員それぞれの保有スキルと習熟度を把握しやすくすること」です。
営業で成功するために必要なスキルは、コミュニケーション能力や課題解決能力、交渉力など多岐にわたります。
営業部の上司やリーダーは、営業社員に足りていないスキルがあれば、適宜教育し能力を伸ばす指導をしなければなりません。
スキルマップを見れば社員ごとに各スキルの習熟度合が把握でき、効果的な指導ができるようになります。
"営業職向けスキルマップの作成には、さまざまなメリットがあります。
ここでは主なメリットを3つ取り上げて紹介します。
大きなメリットの1つとして挙げられるのが、営業社員の実力が「見える化」する点です。
実力が可視化されることで、上司やリーダーは部下にどのような指導が必要かが分かります。
営業社員自身も、スキルマップによって自分のスキルレベルが客観的に把握できるでしょう。
営業成績向上のためにどのスキルを磨くべきか、何をすべきかが分かるようになります。
スキルマップと人事評価とを連動させれば、昇給や昇格の基準として使うことも可能です。
スキルの習熟度が数値化されているため、客観的で公正な評価の指標になります。
自身のスキルが適切に評価されることによる、社員のやる気や意欲の向上が期待できます。
どのスキルを磨けばよいかが分かることで、自ら学ぶ意識も高まるでしょう。
スキルマップの導入によって、個々の営業社員のスキル別習熟度が明らかになります。
優秀な営業社員であれば、さらに上を目指そうと考え、モチベーションアップにつながるでしょう。
一方で、不足しているスキルが多い営業社員は、意欲が下がったり自信を喪失したりする可能性があります。
スキルマップの項目は、実情に即したものでなければなりません。
そのため、マップに入れる項目を決定する際は、まずは業務内容を洗い出し、必要なスキルを細分化することが必要です。
とはいえ、営業にあたって不可欠な基本のスキルはある程度決まっています。
ここでは、営業社員向けスキルマップに入れるべき6つの項目を紹介します。
これは、顧客の抱える課題を見つけ出して解決のためにすべきことを設計したり、そのために必要な営業活動計画を立てたりする力を指します。
営業社員は顧客の抱える課題を発見する力が不可欠ですが、それだけでは不十分です。
契約を取るためには、解決までの筋道をつけ、計画を立案できる力も必要となります。
顧客と良好な関係を築き、維持する能力を指します。
信頼できる相手でなければ、顧客は契約・購入しようとは思いません。
営業で成果を上げるために欠かせない能力です。
顧客を取り巻く状況を把握し理解する能力のことです。
顧客の状況が分からなければ、商談で魅力的な提案はできません。
自社の扱うサービスやモノが顧客に益するものであることを理解させ、納得の上で合意を取り付ける能力を指します。
条件的な対立があっても、交渉力があればうまい落としどころを見つけられます。
自らの行動に責任を持ち、主体的に業務に取り組む姿勢を指します。
営業で高い成果を上げるためには、積極的に行動することが不可欠です。
とはいえ、やみくもに行動しても成果にはなかなか結び付かないでしょう。
自己の役割を認識し、最善の結果を出そうと意識しなががら行動することが大切です。
顧客に適切な提案をするために必要な幅広い知識を保有していることです。
営業では、担当商材、競合他社の商品、業界の動向、顧客の状況などに関する幅広い知識や情報が欠かせません。
スキルマップは、自社の営業チームの状況に合わせて作成することが大切です。
ここでは、営業向けスキルマップの作成方法を、ステップに分けて紹介します。
まずは、スキルマップを作成する理由を明確にしましょう。
たとえば、「新人営業社員の育成に活用する」「中堅の営業メンバーのレベルを底上げする」などです。
作成目的により、取り上げる項目は異なります。
また、目的を明確にしなければ作成することそのものがゴールとなってしまい、有効に活用することはできません。
目的が決定したら、営業の業務内容をすべて洗い出し、スキルマップの項目を決定しましょう。
洗い出した業務内容はさらに細部化していきます。
2~3程度の階層に分けると、まとめやすくておすすめです。
項目が決まったら、評価基準を設定します。
基準をあまり細かく設定すると評価が大変になり、〇と×のように少なすぎると適切な評価ができません。
そのため、3~5段階に分けることが一般的です。
以下は、4段階に分けた場合の例です。
・レベル1:サポート業務はできる
・レベル2:サポートがあればできる
・レベル3:独力でできる
・レベル4:他者を指導できる
何段階にするかは、営業チームの状況などを見て決めましょう。
スキルマップが完成したら、評価の対象となる営業社員全員に内容を確認してもらうのがおすすめです。
意見を聞いて必要であれば修正し、営業社員全員が納得できる内容にしましょう。
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今回は、営業職向けのスキルマップの概要や項目例、具体的な作り方などについて紹介しました。
営業活動は、商談以外にも顧客へのメールでの連絡や社内での報告、議事録の作成など多くの業務を行う必要があります。
営業活動の成果を最大化させるためには、上手くツールを活用して、顧客に向き合う時間を増やすことが重要です。
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