AIと動画データを活用したデータドリブンな採用DXにより、新卒採用の1次選考枠が150%拡大し、選考基準も精緻化

左:大久保泰行さま 右:飯沼嵩央さま

株式会社サイバーエージェント

インターネット広告、ゲーム開発、メディア運営などを手掛けるインターネット分野におけるリーディングカンパニー

業種
IT・インターネット
従業員規模数
1000名以上
導入の目的
  • AIと動画データを活用したデータドリブンな採用活動によって、新卒選考枠の拡大と、選考基準の精緻化を実現
活用機能
  • 自動録画機能:グループディスカッション時のブレイクアウトルームの録画
  • コメント機能:録画データを起点に、チーム間での横断的なディスカッションを実施
  • 発話解析機能:グループディスカッション内の候補者の発話内容や発話量などを分析
導入前の課題
  • 選考官のグループディスカッションへのアサインが難航。採用活動の効率化をする必要があった
  • 定員を超える選考希望者に対して、選考枠拡大の壁に直面していた
  • 評価基準を更にブラッシュアップし、録画データに基づいた公平でデータドリブンな採用活動を実現したい
導入後の効果
  • グループディスカッションの選考官アサイン業務の負担が軽減
  • 1次選考枠を前年比150%に拡大。多くの候補者に機会を提供
  • 2次選考以降の合格率が向上。録画と音声データ解析によるデータドリブンな採用を実現

株式会社サイバーエージェントは、インターネット分野におけるリーディングカンパニーとして、新しい未来のテレビ「ABEMA」をはじめとするメディア事業、国内トップシェアを誇るインターネット広告事業、人気ゲームを多数展開するゲーム事業などを展開。創業以来、一貫して増収を遂げるなど、インターネット産業において売上・事業規模ともに拡大し続ける一方で、「AI研究をリードするグローバル企業トップ100」(Gleb Chuvpilo: AI Research Rankings 2020)に選出されるなどAI研究でも高い評価を得ています。
今回は、人事部 採用戦略室室長の大久保泰行 様とマネージャーの飯沼嵩央 様に『ailead』の導入経緯からご活用の詳細についてお話を伺いました。

ご経歴、現在の業務内容やミッションについても教えて下さい。採用戦略室はどういった役割の部署ですか?

大久保さま:
インターネット広告の黎明期の2003年に、サイバーエージェントに新卒として入社し、インターネット広告の営業として2017年まで従事していました。その後異動し、タレントマネジメント領域の責任者を務めたのち、現在は採用戦略室に所属し、経営成果の最大化に資する人事採用組織の構築に努めております。

日本の採用市場は旧態依然とした部分が多く、特に「採用人事部の成果指標」と「データの徹底的な活用」という2点で改善が必要です。現在は採用活動の成果を、単純な採用人数という結果指標で評価している企業が多いと思いますが、我々は選考過程の評価や入社後の活躍データを活用することで、データドリブンな採用に取り組んでいます。ファクトデータとイノベーションを重視し、採用活動の変革を行うチームを目指しています。

飯沼さま:
私は採用戦略室に所属しており、主に当社における新卒採用のデータ領域にてコンサルティング業務を行っております。私たちのミッションは、様々なデータに基づいた分析結果を通して、社内カルチャーに合致する人材の採用を促進することです。選考データから、内定後のデータまでを一気通貫して可視化・分析し、選考プロセスのPDCAを回し続けています。

採用活動にはロジカルとエモーショナルの2つの要素があると思います。例えば、サイバーエージェントには「素直で良い人」という一見エモーショナルにも見える採用基準があります。新卒入社したメンバーが、採用後に活躍しているのか、モチベーション高く働けているのかといったファクトを基にデータ分析を行い、採用時点からどんな人材を採用したほうが良いのか、会社に合っているのかを分析して、採用プロセスを改善しています。

実は、私も元々はインターネット広告事業本部に所属しており、ディスプレイ広告コンサルティングチームのプレイヤーやマネージャーとして業務に携わっておりました。 その中で、どういった新卒メンバーが活躍するのか、カルチャーにフィットするのか理想とする人物像について人事と積極的にコミュニケーションを取ってきました。ディスプレイ広告で培ったデータ分析のスキル・経験と人事業務への興味・関心から、現在に至っています。

aileadを導入する前に抱えていた課題と、なぜその問題解決の優先度が高まったのかについて教えて下さい。

飯沼さま:
弊社の経営において、人材は大きな競争力であり、良い人材の採用は最重要事項だと考えております。
なかでも毎年多くの人数を採用する新卒採用では、選考フローにおける1次選考にグループディスカッション選考を採用しています。

グループディスカッション選考を採用している理由として、多岐にわたる事業展開と企業の知名度向上に伴い、年々エントリー数が増加し、より多くの人数を選考する必要が生じたためです。グループディスカッション選考ではエントリーして下さった学生の方々が、弊社の採用評価基準と合致しているかどうかを、より多くの視点で確認しています。

しかし、1回のグループディスカッション(学生複数名)に対して選考官1名をアサインするにも選考官の時間調整が難航し、応募学生に対する選考枠の提供が難しくなってきているという課題が顕在化しておりました。

大久保さま:
モチベーションが高く、優秀な学生のみなさんが早期の選考プロセスに参加を希望されているにも関わらず、選考枠をご用意できないと、弊社の採用計画や採用候補者の体験に大きな影響を与えます。

例えば、夏季の選考枠を希望されていたのに枠が埋まっていて参加できなかった場合、冬季の選考枠への意欲が低下し、他の企業に入社が決まってしまうといった事態につながりかねません。

また、弊社の採用ページを繰り返しご覧いただいているにも関わらず、選考会の枠が常に埋まっている状態が続くと、「応募しても枠がない」というマイナスイメージが定着してしまう恐れもあります。

選考を希望される多くの方々に、ストレスなく採用機会を提供することは、私たちにとって最も重要な課題でした。

ailead導入に際しての決め手は何でしたか?様々な選択肢があったと思うのですが、ツールの選定方法や評価方法についても教えて下さい。

飯沼さま:
様々なツールを調査しましたが、採用業務や人事領域に特化したものは見つかりませんでした。しかし、御社に相談した際、現状の採用課題について話し合い、議論を進める中で、チームの将来的なビジョンにも共感を得られました。この点が、最後のツール選定の決め手となりました。

特に、Zoomのブレイクアウトルーム毎の録画・分析機能は、弊社のグループディスカッション選考の課題を解決し、目標達成に向けて必要不可欠なインフラとなるはずだと確信しました。

チーム内のメンバーからは、aileadのユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)についても好評が寄せられております。シンプルで操作が容易であり、現行のオペレーションを大きく変更する必要ないため、ツール導入に伴うストレスがないという声が多くありました。

個人的には、aileadのソリューションが示す汎用性の高さにも魅力を感じています。これは、直面している目の前の課題の解決に留まらず、中長期的なチーム目標の達成にも役立つツールとして活用できると考えています。

大久保さま:
選考会への参加希望者が多くいる中で、公平に機会を提供することと、ファクトデータに基づいた正しい選考プロセスを実施することは採用成功の重要な要素です。この進化の為に、aileadを選びました。機能だけでなく、サービス導入後も一緒にチャレンジし、協業できるパートナーとしてのスタンスも心強いと感じました。

実際に、PoC(実証実験)を通じて様々な支援を受けた結果、運用への導入が可能であると判断しました。そのため、迷うことなくaileadの導入を決定しました。

採用に携わる社内メンバーとの合意形成はどのように進められましたか?

大久保さま:
人事採用プロセスに関わるメンバーからは、前向きな意見が多く寄せられています。これまでは選考官にとって、グループディスカッションの開始から終了まで同席し続けるという時間の制約や、複数のグループディスカッションを同時にチェックするというオペレーション上の負担が大きな課題でした。

しかし、aileadを導入することで、録画データを非同期でチェックすることが可能になり、動画の倍速再生機能や発話解析機能の活用により、これらの業務負担が大幅に軽減されました。この結果、チーム内での合意形成がスムーズに進み、採用評価業務の効率化が実現しました。

ailead導入後の効果について教えて下さい。

飯沼さま:
aileadのブレイクアウトルームの録画・分析機能の導入により、選考官のアサイン、調整作業が削減され、その結果、選考枠を前年比150%拡大することができました。これまで選考に参加したくても、参加できなかった多くの学生の方々に機会を提供することが可能となりました。

さらに、録画や音声データの解析機能を活用することで、2次選考以降の合格率にも変化が見られました。1次選考でしっかり見極められているからこそ、2次選考以降の合格率が高まっているということです。具体的には、録画データから得られる話者分離データや発話率を基に、より正確な評価軸で採用の意思決定が行えています。録画データを基盤とした選考プロセスの推進は、選考の効率化と公平性を大いに高める重要な効果をもたらしました。発話率の分析機能は、弊社から要望を出し、aileadのチームと一緒に協議しながら開発した機能になります。

大久保さま:
人事部にはオペレーションチーム、採用フロントチーム、採用データ解析チームがあります。aileadを導入する前は、採用フロントチーム以外のメンバーがグループディスカッションの現場に物理的に立ち会うことが難しい状況でした。

しかし、aileadで蓄積された録画データを活用することで、これらのチーム間での横断的なディスカッションが実現しました。録画データを基に採用評価を進めることで、採用プロセスが迅速化し、より正確な評価基準に基づいて採用候補者様の合否を判断できるようになりました。

今後、実現していきたい採用の未来について教えて下さい。

飯沼さま:
今後はグループディスカッション以外の面接においてもデータ分析を行い、選考官側の質問や候補者側の回答、それぞれのデータを蓄積し、何が良い面接なのかあるいはそうでないのかを分析し、コンサルティングしていくことを目指しています。

また採用担当者のスキルの習熟度を高めることにも活用したいと考えています。実際の面談データに基づいた個別指導や研修プログラムを提供し、採用担当者がより効果的な採用活動を行えるよう支援していきたいです。

大久保さま:
HR領域で圧倒的なイノベーションを起こす会社になりたいと思っています。サイバーエージェントのHRチームは、事業部出身者も多く、データ取得から数値化、検証までのプロセスが習慣化されています。

サイバーエージェントで実践してきたことの1つは、「アンド思考」です。面接の量を増やすと質が下がる、質を上げると量を減らさなければいけないと考える人が多いと思いますが、その両方を実現するための方法を考えて、チャレンジすることが大切だと思っています。学生の皆様に良い選考体験を提供しながらも、業務プロセスの効率化やオペレーションの自動化を行い工数を圧縮していく。これらを実際に体現しています。

ただ、そのためにはパートナーが必要で、様々な会社と良い関係性を築いていきたいと考えています。今後、私たちのチームとaileadの成長を通じて、日本の採用領域にイノベーションをもたらしたいと考えています。

どのような会社やチームにaileadの活用を推奨できますか?

大久保さま:
多くの人事担当者がエントリーシートの多さに困っていると思います。エントリーシートには有益な情報が含まれていることもありますが、候補者の面接時の振る舞いやディスカッションで得られる情報の方がはるかに価値が高いと考えられます。ただ、全ての候補者と面接を行うには人的資源が不足している会社も少なくありません。

aileadを活用したグループディスカッションはエントリーシートに代替され、かつ更にその精度を高める可能性が高いと考えます。弊社はaileadを利用することで、AIと動画データを活用したデータドリブンな採用DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現させ、効率的かつ効果的に、候補者の潜在的な能力やカルチャーフィットを評価できるようになりました。

飯沼さま:
HR領域において、映像を用いた人事採用活動を行っている企業のみなさまには有効だと思います。なぜなら、録画して映像を見ることには「プラスがあってもマイナスはない」と考えているからです。

候補者への正しい評価を実現できることはもちろん、採用担当者のスキル標準化の課題にも役立てることができます。

aileadはUI/UXにも優れており、非常に使いやすいと思います。

株式会社サイバーエージェント

インターネット広告、ゲーム開発、メディア運営などを手掛けるインターネット分野におけるリーディングカンパニー

業種
IT・インターネット
従業員規模
1000名以上
導入の目的
  • AIと動画データを活用したデータドリブンな採用活動によって、新卒選考枠の拡大と、選考基準の精緻化を実現
活用機能
  • 自動録画機能:グループディスカッション時のブレイクアウトルームの録画
  • コメント機能:録画データを起点に、チーム間での横断的なディスカッションを実施
  • 発話解析機能:グループディスカッション内の候補者の発話内容や発話量などを分析
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