行動心理学の用語である「ザイオンス効果」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
この効果は非常に身近なところで起こっているもので、ビジネスやマーケティング、人間関係や恋愛など幅広い場面で活用することができます。
今回は、ザイオンス効果の主にビジネスにおける営業活動での使い方やそのコツ、注意点について紹介します。
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ザイオンス効果とは、アメリカの心理学者、ロバート・ザイオンスによって提唱された行動心理学における効果のことです。
日本語では「単純接触効果」と呼ばれています。
これはどんな効果なのかというと、特に興味も関心もないようなものであっても何度も繰り返し見聞きするなどの接触を繰り返すことで好感度が上がっていく、というものです。
例えば、まったく知らない人であっても、何度か会っているうちに親しみが湧いて好きになっていくことがあります。
身近なスーパーなどのショップ店員にも、何度も顔を合わせているうちに好感を持つようになることもあるでしょう。
また、対人だけではなく、音楽や広告などについても同じことがいえます。
初めて見たり聞いたりしたポスターなどの広告や音楽などに違和感をおぼえたり、大して印象が残らなかったりすることはよくあるものです。
それに、人は初めて接するものや人に対しては、無意識に警戒心を持つものです。
しかし、毎日目にしたり耳にしたりしているうちに、少しずつ警戒心が薄れ、自分の中でそれらが「お馴染みのもの」へと変化していきます。
接触する機会が多くなると、人は自然と仲間意識を持つようになり、心を開くようになるのです。
実は、ザイオンス効果は、昔から営業活動へと活用されてきました。
特に用事がなくても、得意先を訪問して歩くことが大切な仕事だったのです。
馴染みの担当者として顔を覚えてもらい、いざ何かしらの依頼が生まれたときにはすぐに相談に乗って受注できるような体制を普段から作っていました。
これは現代にも十分通じる営業活動の基本でもあります。
ザイオンス効果の活用を意図しての営業活動、つまり短期間に何度も顧客を訪問することになりますが、その際のコツとしては商品を購入してもらいたい、サービスを契約してほしいという思惑をいきなり前面に出してしまわないことです。
いきなり商談を始めることを目的とせず、まず顧客と親しくなることを目標にするくらいの気持ちでさりげなく訪問し、好感度が上がって親密になったところで少しずつ商談を持ちかけるほうがうまくいきやすいでしょう。
TVやラジオのCM、街頭や駅構内・車内広告など、広告もまたザイオンス効果を活用した企業や商品・サービスのアピールです。
コロナ渦のために行動が制限され、対面での営業活動の機会が限られてしまう時勢の中では、それらの広告やWeb広告、メールマガジン、電話・メール・チャットなどを使った顧客へのコンタクト、SNSの活用、オンラインセミナーなど、これまでとは違う非対面での形の接触方法が模索されています。
根本的に人間関係の築き方、維持の仕方などは古い時代と比べてもさほど変わるものではありません。
インターネットの普及により、接触する手段はさまざまに変わり多様化しましたが、それを受ける人間の感じ方は根本的に変わっていないのです。
多様化した手段をどのように使えば、未知の顧客と親密になれるのかについて、今後いろいろな方法論が確立されてくるでしょう。
実際に、一度自社サイトを訪問してくれた顧客に対して配信するリマーケティング広告や顧客がダウンロードしてくれたアプリが通知を発信し、最初のうちはなるべくアプリを使ってみてもらうようにするなどの、ザイオンス効果を活用した接触方法が既に編み出されています。
ザイオンス効果の活用が有効とはいえ、何より大切なのは顧客の気持ちや立場をよく考えることです。
せっかく商品やサービスに興味を持ってくれた人がいても、あまりしつこい接触をし過ぎれば嫌がられてしまうでしょう。
逆に、気になって閲覧したことのある商品の広告がさりげなく表示されたり、購入した商品やサービスに対して手厚いアフターフォローメールが届いたりすれば購入したい、また利用したいと思ってくれる人は増えるでしょう。
結局のところ、自分が顧客だったらどう感じるか、ということを常に頭の片隅に置いた営業活動が成功を呼ぶはずです。
何度も接触する機会を作ることが営業活動でのザイオンス効果の活用法なのですが、使い方を間違えるとデメリットがあり、逆効果になってしまいます。
まず、ザイオンス効果を活用するためには、条件があるのです。
ザイオンス効果は、まだ対象のことをよく知らず、好きでも嫌いでもない期間に限って効力があります。
つまり、第一印象が悪く、相手に最初から嫌悪感を持たれてしまった場合、最初に欠点を強く印象付けてしまった場合には、その後接触を重ねるごとに嫌悪感が高まってしまいます。
興味がなく必要のない商品を何度もしつこく自宅に売りにくる訪問販売の営業マンがいたら、どんな人でもその人に対する嫌悪感は増していくに違いありません。
もちろん、人間同士の関わりなのでどうしても相性の悪い人と当たってしまうことを避けられない場合もあるでしょう。
しかし、明らかにほとんどの人に嫌悪感をもたれてしまうような見た目や振る舞いをしないよう、気遣いをする必要はあります。
もし、明らかに自分が顧客から嫌われてしまっていると感じた場合は、担当を他の人に変わってもらう必要があるかもしれません。
もう1つの注意点は、ザイオンス効果には効力の限界があることです。
ザイオンス効果を狙っての接触回数は10回が限度で、それ以降は何度接触してもそれ以上印象が良くなることはありません。
つまり、顧客に10回接触してみても営業活動の目標を達成できない場合には、それ以上の結果を求めるのは非常に難しいといっていいでしょう。
顧客を10回も訪問したのに何の結果も得られないと思うと、もう少し何か試す余地があるのではないかと諦められない人もいるかもしれません。
しかし、10回も訪問して成果が得られないのですから、早めに頭を切り替えて他のターゲットを10回訪問した方が効率は良いはずです。
また、ザイオンス効果を期待して接触を繰り返すなら、長期間に長めの間を開けながら訪問するよりも短期間に集中して10回訪問するほうが効果的だといえます。
ザイオンス効果はどうしても対人間の相性も関係するため、少しうまくいかなかったからといって落胆せず、少しでも相性の良い顧客との親密度を上げるために短期集中で次々に挑戦したほうが良い結果が出るでしょう。
今回は、ザイオンス効果の主にビジネスにおける営業活動での使い方やそのコツ、注意点などについて紹介しました。
営業活動は、商談以外にも顧客へのメールでの連絡や社内での報告、議事録の作成など多くの業務を行う必要があります。
営業活動の成果を最大化させるためには、上手くツールを活用して、顧客に向き合う時間を増やすことが重要です。
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