中小企業が競合する大企業に立ち向かう方法として古くから知られているのが「ランチェスター戦略」です。
世界中で使われている歴史のあるマーケティング戦略で、ランチェスター戦略を用いて事業を成功させ、今や日本を代表する企業になった会社も多くあります。
今回は、ランチェスター戦略の具体的な内容や欠点、成功事例などについて紹介します。
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ランチェスター戦略は、軍事戦略を販売戦略に応用した理論です。
イギリス人のフレデリック・W・ランチェスターが、第一次世界大戦の空中戦における航空機の損害状況を分析した「ランチェスターの法則」が基となっています。
ランチェスターは、兵力数、武器の性能が戦闘力を決定づけていると考え、「同じ武器なら兵力の数が勝敗を決める」と考えました。
ランチェスターの法則は、軍事戦略モデルとして改良されたのち、日本人コンサルタントの田岡信夫によって販売戦略、マーケティング理論に応用され、「ランチェスター戦略」として世界中で活用されるようになります。
ランチェスター戦略では、経営や事業活動を弱者と強者の視点から分析。それぞれがどのように戦えば勝利を収められるかを考えます。
ランチェスター戦略の基となるランチェスターの法則は「第一法則」と「第二法則」に分かれています。
第一法則は一騎打ちや狭いエリアでの戦闘を想定したものです。
第一法則を用いた戦闘力は「武器の性能×人数」で算出されます。
これをビジネスに置き換えると、武器の性能は商品力やブランド力、人数は企業の資本力や社員数です。
一方で「第二法則」は近代兵器を用いた遠隔戦を想定しています。
第二法則では人数を2乗して考えるため、計算式は「武器の性能×人数の2乗」となります。
具体的な数値で考えてみましょう。
Aグループの人数は8人、武器の性能は3、Bグループの人数は5人、武器の性能は5だとします。
Aグループの方が人数は多いですが、武器の性能が良いのはBグループです。
第一法則ではAグループの戦闘力は「8×3=24」、Bグループは「5×5=25」なので、人数の少ないBグループの方が戦闘力が高いということになります。
第二法則の場合、Aグループの戦闘力は「8×8×3=192」、Bグループは「5×5×5=125」となり、人数の多いAグループの方が有利です。
つまり、狭い分野に特化して勝負する場合、優れた商品力やブランド力があれば、社員数や資本の小さな企業でもAグループに勝利できます。
しかし、広い分野で勝負をすると人数の多いAグループにかないません。
このことから、資本力の小さな中小企業が大企業に太刀打ちするためには、特定の分野で勝負することが大切だと分析できます。
ランチェスター戦略では、特定の市場で1位になることを重要視しており、戦い方によっては必ずしも規模の小さな企業が弱者になるわけではない、ということが特徴です。
ランチェスター戦略の欠点は自社が強者であるか、弱者であるかの見極めが難しい点です。
強者と弱者とでは取るべき戦略が全く異なるため、自社の立ち位置を見誤るとせっかくの戦略が逆効果になってしまいます。
また、ランチェスター戦略ではシェア1位になることを目標としますが、狭い分野に特化して事業を展開していく場合、シェアの測り方が難しいという点も欠点といえるでしょう。
いずれの場合も、シェアは自社が事業を展開しているエリアの占有率などで捉える方法があります。
自社が弱者か強者か分からない場合は、現時点でシェア1位かどうかを判断基準とします。
弱者が誤って強者の戦略を取った場合は成果が上がりませんが、強者が弱者の戦略を取ってもさほどダメージはないため迷ったときの選択方法として覚えておくとよいでしょう。
ランチェスター戦略で重要なのは、1つの市場で圧倒的な1位になることです。
1位になった後はすべての敵と戦うのではなく、自らのすぐ下にいる2位の敵をターゲットにします。
資本力や人員に余裕のない企業では、全方向に向けて攻撃をしていると消耗してしまうからです。
具体的な営業戦略には、客と近い距離で接する「接近型」、1つの商品やサービス、分野に注力する「一点集中型」、思いもよらない方法を使う「陽動型」があります。
静岡県西部で約30店舗を展開する「炭火焼きレストランさわやか」は、「げんこつハンバーグ」という看板メニューに注力することで成功を収めたチェーン店です。
元は小さな喫茶店でしたがレストランに業態を変更し、「げんこつハンバーグ専門店」という唯一無二の分野を作りました。
静岡県内だけで展開したこともポイントです。
ランチェスター戦略の「一点集中型」の代表的な例といえるでしょう。
大手旅行会社のHISもランチェスター戦略で現在の地位を築き上げた企業です。
HISがとった方法は、注力するエリアや分野を限定し、シェア1位を獲得したら別のエリアに注力するという方法でした。
当時人気の観光地だったハワイではなく、まだ知られていなかったバリ島やセブ島などに注目。
また、学生向けの海外格安航空券を取り扱うなどして1つずつの分野でシェア1位となりました。
HISの創業者である澤田秀雄さんは、ハウステンボスの再建にもランチェスター戦略を用いています。
今回は、ランチェスター戦略の具体的な内容や欠点、成功事例などについて紹介しました。
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