組織内での知識の共有は、その組織や所属するメンバーの成長を左右する重要な問題です。
一般に、重要な知識ほどアクセスしにくいといわれています。
それでは、どのようにすれば、ナレッジの共有が可能になるでしょうか。
この問題にロジカルに取り組む手法がナレッジマネジメントです。
この記事では、ナレッジマネジメントの定義や目的、その手法・事例について紹介します。
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ナレッジマネジメントは、2つの要素から構成されています。
まずは、組織のメンバーそれぞれの頭の中にある知的資産を共有して活用することです。
次に、共有による相互作用を経て生まれた新たな知識をメンバーに還元しつつ、さらにその知識に基づいた経営を実践します。
このようなナレッジマネジメントの提唱者は、日本の経営学分野の碩学である野中郁次郎といわれています。
野中は知識経営論によって、ナレッジベースの経営学を世界に広めました。
ナレッジマネジメントでは、知識を2種類に分けて考えます。
一つは、「暗黙知」と呼ばれる、言葉や数値で表現することが難しい知識です。
たとえば、熟練の職人が持つ、長年の経験に培われたノウハウや優れた技能は、そのままでは客観的な情報として伝達するのは困難です。
このような暗黙知を伝達可能な形に変換したものを「形式知」と呼びます。
たとえば、マニュアルなどでは具体的な言葉や定義があり、数字や図表によって誰が見ても一定の理解が得られるように作られています。
そこに含まれる情報は読む人の間で共有できるため、議論を始める土台となるのです。
暗黙知が形式知に変換されて共有されると新たな暗黙知の創造が期待できます。
それをさらに形式知に変換して共有するという連続したプロセスを重視する経営の考え方を「組織的知識創造理論」と呼びます。
ナレッジマネジメントには主に次のような3つの目的があります。
顧客情報について、直接の担当者が持つ暗黙知に留めずに社内で共有できる形式知に変換しておけば、顧客サービスの向上につなげられます。
顧客という軸に沿って情報を共有できる環境があれば、担当者の異動や組織改編で担当部署が変わってしまってもそれまでに蓄積された顧客情報を最大限に活用することができます。
業務の効率化は、現場で作業している際に生まれる知見やノウハウを蓄積しておき、組織全体で共有することで大きな効果を得られます。
通常の組織では、個人的に獲得した効率化のアイデアやノウハウは、同僚や部署内を超えて共有することに限界があります。
ナレッジマネジメントの手法を活用すれば、組織全体の知的共有財産になります。
多くの組織で、熟練労働者の技能や技術の伝承が喫緊の課題となっています。
高度成長期の日本の企業のような年功序列の終身雇用制度を採用した組織であれば、そのプロセスはそれほど困難ではありませんでした。
ところが、現在のように労働者の働き方が多様化してきて、転職やリモートワークなどが一般化すると、組織が積極的かつ継続的に人材育成に関わることは容易ではありません。
暗黙知としての技能や技術を形式知に変換して共有できれば、人材育成の効率と効果を高めることができるでしょう。
上記の目的に合わせたナレッジマネジメントを実践するための代表的な手法を紹介します。
顧客と直接コミュニケーションをとる必要があるフロントオフィス部門であれば「顧客知識共有型」のナレッジマネジメントによって顧客サービスの向上を目指せます。
このタイプでは、顧客情報の一元管理がポイントです。
顧客データを組織内の全ての部署で連携できるソフトウェアなどを導入することで担当者が不在の時に問い合わせがあったとしても、迅速かつ適切に対応できます。
「ベストプラクティス共有型」は、営業部門などで活用が期待される手法です。
ペストプラクティスとは成功事例のことです。
業務改善を考える際に最も効率の良い方法は、成功事例に学ぶことです。
ある問題解決が必要な案件に遭遇した際に過去の同様な事例を共有できる仕組みがあれば、時間や労力を削減できる可能性が高まるでしょう。
さらに、成功事例も参照できれば、業務改善に大きく役に立ちます。
高度な技能や熟練により獲得されるノウハウを組織全体に共有することで、問題解決のスピードを高められます。
一般的な「専門知識共有型」は、FAQ管理システムなどを適切に運用することで実現されます。
このとき、FAQを提供するプラットフォームには、テキストだけではなく、音声や動画コンテンツなどのマルチメディアが扱えると効果的です。
また、属人的な暗黙知を形式知に変換することが難しい場合には、技能やノウハウを持つ個人に直接コンタクトをとる仕組みも含まれます。
ここでは、ナレッジマネジメントの代表的事例を紹介します。
富士ゼロックスでは全社的にナレッジマネジメントが導入され、業務効率化に貢献しています。
なかでも、プロダクト設計段階における「全員設計」モデルが特徴的です。
ユーザー視点でプロダクトを開発する際に各部門の設計者や技術者が個別に開発を進めてしまうと、最終段階ですり合わせが必要になり設計変更を余儀なくされます。
これを解決するために設計の初期段階から関係者全員が参加してコメントを出したり、改善提案を出したりする仕組みがつくられました。
また、それぞれの開発現場に固有のノウハウなどの暗黙知については、設計情報共有システムを構築することにより、オンラインで共有することに成功しました。
災害発生時の現場対応を迅速かつ安全にこなすためには、さまざまノウハウが要求されます。
現場経験が豊富な職員はそのようなノウハウの宝庫といえるでしょう。
しかしながら、それは主に暗黙知のレベルに留まりがちです。
全国で災害が多発するようになると、現場経験が少ない職員への形式知としての情報共有が課題となります。
そのため、ITを活用した多様なツールを連携して、現場適用性の高い共有システムの開発が進められています。
今回は、ナレッジマネジメントの定義と目的、手法・事例などについて紹介しました。
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