企業が売上を伸ばすには、内部に目を向けて実情を分析し、その結果に基づいて改善することが大事です。
しかし、自社を取り巻く外部環境にのみ関心を持ち、効果的な施策を打ち出せないケースも少なくありません。
今回は、内部環境分析の意味やフレームワーク、営業での活用方法について紹介します。
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内部環境分析を理解するには、内部環境が何を指すのか知る必要があります。
内部とは組織内という意味で、基本的には経営資源と呼ばれるものと同義です。
設備や人材など企業を構成するリソースだけでなく、製品やサービスといった商材も含まれます。
経営戦略やマーケティング力、企業風土のような概念的な要素も該当し、互いに何らかの形で関連しているケースも多いです。
設備は高性能でも上手に扱える人材がいないなど、たいていの企業では強みと弱みが狭い範囲で混在しています。
個々について漠然と認識しているだけでは、経営状態は良い方向にシフトしていきません。
内部環境分析は、それらを総括的に捉えて実施する現状把握のアプローチです。
要素を切り分けて考えておらず、売上などの結果だけを見て今後の方針を検討する企業が多いです。
内部環境分析では一つひとつのリソースに着目し、自社の強みと弱みを明確に洗い出します。
先入観にとらわれず、できるだけ客観的なデータを使って検証することが基本です。
空きスペースをサーバー置き場として活用できるなど、潜在的なプラスの要素が見つかるケースもよくあります。
そのように広く現状を分析することで、競合相手との優劣を判断することも可能です。
自社の立ち位置を正しく認識し、成長につながる意思決定を行えるようになります。
実際の内部環境分析は、フレームワークを利用して実施するのが一般的です。
代表的なのはSWOT分析ですが、VRIO分析を用いる企業も珍しくありません。
ここからは各フレームワークの特徴や進め方を挙げていきます。
SWOT分析では4つのカテゴリを検証し、経営資源の最適な利用につながる施策を考えます。
各カテゴリは「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」で、それらの頭文字をつなげたワードがSWOTです。
後者の2つは外部環境に属しますが、それらも取り入れて精度を高める点が特徴となっています。
まずStrengthsで自社が競合相手より優位な点を割り出し、Weaknessesではその逆を行います。
Opportunitiesでリストアップするのは、流行の変化など自社のビジネスに影響が出そうなタイミングです。
Threatsでは競合相手の市場参入や新型コロナウイルスによる集客減など、自社にとってのリスクを挙げます。
上記のように、カテゴリごとに要素を書き出したら、今後の方針を打ち出すステップに移りましょう。
2つのカテゴリを結び付けて、どのような方向性の戦略を打ち出すべきか検討していきます。
Strengthsが「雨傘の製造技術」で、Opportunitiesが「日差しが強い夏の到来」であれば、雨傘のノウハウを応用して日傘を製造するといった具合です。
このようにカテゴリを順番にかけ合わせ、内部環境が最も収益に結びつきそうな方法を分析します。
こちらのステップはクロスSWOT分析とも呼ばれており、そのプロセスにおいて内部環境がより明確になる点も特徴の一つです。
VRIO分析は企業の内部環境を評価し、競合相手に対する優位性を調べる手法です。
「Value(経済的価値)」「Rarity(希少性)」「Imitability(模倣の困難性)」「Organization(組織)」というカテゴリごとに、分析を順番に実施していきます。
その材料となるデータは、従業員を対象とするアンケートやヒアリングなどで集めるのが一般的です。
最初のValueでは自社が持つ経営資源に着目しますが、時価などの金額的な基準だけでは判断しません。
経済活動を加速できる可能性や外部環境がもたらすリスクへの耐久性など、さまざまな観点で価値の大きさを検証します。
次のRarityで分析するのは他社が保有していない経営資源です。
これが優れているほど、競合相手にシェアを奪われにくくなり、後発の企業が新規参入を諦めやすくなります。
Imitabilityの分析はリードを維持できる期間に関わるものです。
自社の製品やサービスのうち他社による模倣が困難なものを分析します。
生産設備や技術力、特許など多くの内部環境が関係するカテゴリです。
Organizationでは、経営資源を組織的に活用する体制が分析の対象になります。
前述の3つの分析が高評価でも内部環境が従業員レベルでのみ機能していると意味がありません。
組織全体が優位に立てるのかチェックし、体制の整備を推進するための指針とします。
内部環境分析は経営の改善に用いられるのが一般的ですが、特定の職種にフォーカスして実施することも可能です。
営業で活用する方法を以下に挙げるので確認しておきましょう。
営業に関する内部環境は、売上に直接的な影響を与えるものが多いです。
内部環境分析を行うなら、まず現状の商材が的確か見直してみましょう。
その際のポイントは強みと弱みを明確にすることです。
たとえば、教材の売り込みを担当している場合、子ども向けのものばかり扱っているケースがよくあります。
若いファミリー世帯に対するアピール力は強みですが、それ以外の世帯を相手にできない点は弱みです。
これを踏まえて顧客リストを参照し、自分が担当しているエリアの傾向を詳しく調査します。
シニアの占める割合が高いなら、生涯学習をテーマとする教材に切り替えたほうが、売上を伸ばせる可能性が高いです。
このように商材や顧客リストなどの内部環境を組み合わせて分析すると、実情に合わせて営業戦略を組み直すためのヒントになります。
営業の効率アップにも内部環境分析の結果は役立ちます。
パソコンやスマートフォン、各種ソフトウェアをはじめとして、普段の業務で使っているものをリストアップしましょう。
使用が習慣になっていても固定観念を持たずにパフォーマンスを分析すると、非効率であることが判明する場合もあります。
Web会議のシステムを例に挙げると、ミーティング自体は快適でも、議事録作成に時間をかけすぎているケースが多いです。
営業支援ツールを導入し、録画と自動の文字起こしを可能にすると、大幅な効率化を実現できます。
営業部門が持つ情報共有の仕組みも重要度が高い内部環境の一つです。
この点に関しても分析による評価が悪いなら、営業支援ツールやクラウドなどで改善を試みる必要があります。
今回は、内部環境分析の意味やフレームワーク、営業での活用方法などについて紹介しました。
営業活動は、商談以外にも顧客へのメールでの連絡や社内での報告、議事録の作成など多くの業務を行う必要があります。
営業活動の成果を最大化させるためには、上手くツールを活用して、顧客に向き合う時間を増やすことが重要です。
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