売上を高めるためのマーケティング手法の中でも、最も有名なものがクロスセルとアップセルです。
どちらも、ターゲット顧客を分析して商品購入を提案するものですが、その性質やノウハウは異なっています。
マーケティングではLTV(顧客生涯価値)の向上に貢献する2つの手法を適切に使い分けることが大切です。
今回は、クロスセルの概要やアップセルとの違い、クロスセルの具体的な手法について紹介します。
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クロスセルとは、顧客が購入している商材やこれから購入しようと考えている商材に加えて、関連する別の商材を提案して一緒に購入してもらうことです。
野菜売り場で鍋のスープを販売することで、「今日のお夕飯はお鍋にしようかしら」と一緒に購入してもらうケースもクロスセルの一例といえるでしょう。
商材が多く売れるため、当然顧客1人あたりの売上が向上します。
クロスセルで提案する商材は、メイン商材の補助的なものだけとは限りません。
顧客の購買行動を分析し、潜在的なニーズを発掘することで全く別の商材が提案できる場合もあります。
アップセルとは、顧客が購入している商品の上位商品を購入してもらうことで顧客1人あたりの売上を向上させる手法です。
クロスセルと違い、販売する商材は既存の商材の代替となります。
顧客はすでに商材を愛用しており、商材を使う中で発生した特定のニーズを満たすことが購入の目的です。
スマートフォンでいえば、多くのデータ容量を使えるプランの販売はアップセルに該当し、スマートフォン故障時に備えた保険契約を一緒に販売するようなケースがクロスセルに該当します。
クロスセルには、次のようなメリットがあります。
一般的に、新規顧客の獲得コストは、既存客への販売コストよりも高いため、既存の顧客から売上を伸ばすほうが効率的に収益を伸ばせます。
クロスセルは、顧客との信頼関係ができている状態で行われるため、顧客の心理的な抵抗も少なく、スムーズに購入に結び付くことが多いです。
関連する商材を販売する中で、顧客の新たなニーズが発掘される場合もあり、連鎖的にクロスセルにつながることもあります。
クロスセルを成功させるためには、次のポイントを意識することが大切です。
クロスセルやアップセルが成功するのは、企業や商材へのロイヤリティが高い場合が多く、逆にロイヤリティが低い場合は「大きなお世話だ」と拒否されてしまいます。
そのため、顧客の購買・行動のデータをもとにロイヤリティをランク分けし、よりロイヤリティの高い層に対して提案を行うのが一般的です。
クロスセルの場合、顧客に対してメインの商材に関連した商材を提案しますが、顧客が持っているニーズに合わなければロイヤリティの低下を招く恐れがあります。
顧客の購買データや行動データから、購買の傾向や潜在的なニーズ、購入を希望するタイミングを予想し、効果的に商材を提案することが大切です。
効果的にクロスセルを行うためには、データの取得や分析が欠かせないため、データ基盤をしっかり整備しましょう。
ロイヤリティを高めるためにキャンペーン情報や優待サービスを提供することも効果的な施策です。
クレームや問い合わせなどにしっかり対応すると、顧客のロイヤリティを向上させる機会にできるでしょう。
クロスセルは普段接するさまざまな店舗でも見ることができます。
ECサイトでは、商品の購入ページには「関連する商品」などの名目でクロスセル用の商品提案が行われています。
顧客の購入データや商品カテゴリーから、関連性のある商品を提案することで「ついで買い」を促す狙いです。
購入手続きが一度で済み、金額によっては送料が無料になるなど、顧客側のメリットも大きいため、この手法は多くのECサイトで採用されています。
チェーン店を中心として、最近のラーメン店ではラーメンだけでなく、餃子やビールなどを販売する店が多いです。
これもクロスセルのひとつで、ラーメンに合う食品や飲み物の提供により売上向上はもちろん、顧客層の拡大や店舗での滞在時間の伸長により、商材の販売機会の増加が期待できます。
子供向けのゲームでは、家庭用ゲーム機にアーケード用ゲーム機の特典をつけたり、別のおもちゃなどにゲーム機で使える特典をつけたりといったクロスセルがさかんに行われています。
作品やキャラクターに紐づけてクロスセルを行うことで他の商材への誘導がスムーズになる他、ファンの囲い込みや売上拡大にも効果的です。
自動車販売店では、自動車だけでなくクレジットカードや自動車保険なども合わせて販売しています。
自動車の購入は大きな買い物であり、顧客との付き合いも長く信頼関係も深いため、カードや保険のような商品と相性が良いです。
住宅販売や携帯電話・インターネットなども同じ傾向が見られます。
こうしたクロスセルでは、ひとつの店舗や企業ですべての商材を提供しているとは限りません。
他社との業務提携から互いの商材でクロスセルを行い、販売マージンを得ていることも多いです。
もし自社にクロスセル用の商材がない場合は、新たに商品開発を行ったり、他の企業と提携したりといった方法も検討してみるとよいでしょう。
今回は、クロスセルの概要やアップセルとの違い、クロスセルの具体的な手法などについて紹介しました。
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