企業の営業力強化のための施策として大きな注目を集めているのがバイヤーイネーブルメントです。
しかし、聞いたことはあるけれどもそれがどういうものなのかは今ひとつよく分からないという人もいるかもしれません。
そこで今回は、バイヤーイネーブルメントの目的や重要性、具体的な内容について紹介します。
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バイヤーイネーブルメントにおけるイネーブルメント(enablement)を直訳すると「有効化」や「機能割賦」になります。
分かりやすくいえば「何かをできるようになること」です。
つまりバイヤーイネーブルメントとは、バイヤー(購買担当者)が自身でできることを増やす営業施策だといえるでしょう。
バイヤーイネーブルメントは2018年にアメリカの調査会社Gartnerが初めて提唱し、2019年にビジネスSNSを手がけるLinkedin社がレポートを発表したことで世界中に広く知れ渡ることとなりました。
Linkedin社はそのレポートの中でバイヤーイネーブルメントを「プレッシャーを感じたり不当に影響されたりすることなしに、購買担当者が良い意志決定をするための見通しをつけること」と定義しています。
バイヤーイネーブルメントが重要視されるようになった背景として挙げられるのは、ITリテラシーの高いミレニアル世代やZ世代がBtoBやBtoCの場で強い影響力を持ち始めたことです。
インターネットが普及した後に生まれ育ったこれらの世代は、ネットやSNSを駆使して独自にさまざまな情報を得る能力に長けています。
その一方、企業による広告や営業担当者による売り込みは企業からの圧力として嫌う傾向にあります。
その結果、従来のような営業トークや提案は重要度が相対的に低下してきていると考えられています。
そうした時代の変化の中、営業担当者は売り込みや提案よりも積極的に購買担当者に価値ある情報を提供する必要があるというわけです。
バイヤーイネーブルメントとよく似た言葉にセールスイネーブルメントがあります。
セールスイネーブルメントとは、コーチングや研修といった施策を組織内で一貫して設計し、数値化する仕組みのことです。
営業施策をデータ化して検討することにより、自社の営業力を強化・改善できます。
つまり、セールスイネーブルメントはいかにして自社の営業力をより強くするかということ、営業担当者のできることを増やすための営業施策です。
一方、バイヤーイネーブルメントにおける強化・改善の対象者はバイヤー(顧客・購買担当者)です。
そのため、バイヤーイネーブルメントでは自社の商品やサービスに関する情報を公開して提供することが営業施策となります。
そうすることで顧客や購買担当者の購買意欲が高まり、自社の売り上げにつながるというわけです。
そのためには、自社の商品やサービスが顧客や購買担当者の情報収集の対象となるよう、オンライン上で検索できる状態にしなければなりません。
重要なことは、バイヤーイネーブルメントは決してセールスイネーブルメントに取って代わるものではないということです。
いくらミレニアル世代やZ世代が広告や売り込みを嫌うといっても、何もないところから情報を収集するわけではありません。
顧客となる購買担当者が情報収集しようと考えるきっかけを与えるためには、やはり営業担当者の能力が大きなカギとなるからです。
結局のところ、営業担当者はセールスイネーブルメントとバイヤーイネーブルメントの両方を重視する必要があるといえるでしょう。
バイヤーイネーブルメントを実践する際、まずするべきは既存顧客へのヒアリングです。
既存顧客はなぜ自社の商品やサービスを選んでくれたのか、購入を決定するまでにどのようなプロセスをたどったのか、自社の商品やサービスにどのような改善点があると考えているかを聞き出しましょう。
次に、見込み客や顧客が自社の商品やサービスと接するタッチポイントを記録し、分析します。
重要なことは、見込み客や顧客との直接的なタッチポイントだけでなく、その背後やプロセスにまで考えを至らせることです。
そうしてバイイングジャーニーにおける各ポイントについて自身の考えを記録し、顧客の視点を掘り下げていきましょう。
続いてバイヤーペルソナを作成します。
バイヤーペルソナの構成要素はターゲットとなる顧客の説明的なプロファイルです。
たとえば、顧客の年齢や性別、学歴、出身地、年齢、趣味、結婚しているかどうかなどです。
自社にとって理想的なペルソナは決してひとつだけとは限りませんので、いくつか仮定しましょう。
大切なことは、それぞれのペルソナによって有効なコンテンツは異なるということです。
理想的なペルソナをいくつか作成したら、それぞれのペルソナに沿ったコンテンツを作成し、発信しましょう。
前述したGartner社はバイヤーイネーブルメントを促すコンテンツにおいて企業が果たすべき機能として以下の7つの項目を挙げています。
コンテンツ作成の際にはこれらの機能をできる限り満たすものを目指すとよいでしょう。
顧客自身が企業から提供されたデータを独自に運席できる機能です。
自社の商品やサービスが顧客の分析対象となるよう、商品やサービスに関する詳細なデータや指標を提供しましょう。
顧客が自身にとって価値ある購買活動ができるよう、企業側がコーチングする機能です。
この機能はあくまで助言であり、売込みではないことに留意すべきです。
無料体験の機会を設けるなど、顧客が実際に自社の商品やサービスを使うことができるようにしましょう。
顧客の現状を企業側が評価し、問題がある場合には解決策を提示する機能です。
オプションとして提示するのもよいでしょう。
重要なのは、診断機能も顧客に寄り添った立場で行われるべきだということです。
無料体験や無料診断の機会をコンテンツ内に設けましょう。
顧客自身では入手不可能な情報を企業側が提示し、それを活用して顧客が自社の商品やサービスと他社のものとを比較する機能です。
顧客が重要な情報を隠されていると感じることのないよう、外部評価資料や第三者によるレビューをコンテンツ内に提示しましょう。
顧客が自身のステークホルダーと情報を共有できる場を企業側が提供する機能です。
ダウンロードして使用できる稟議資料テンプレートなどをコンテンツ内に用意しておくとよいでしょう。
自社の商品やサービスが顧客の環境下でどのように機能するかを模擬実験する機能です。
顧客自身が実際に使ってみた体験や感覚が購買における大きなポイントとなります。
無料体験はもちろんのこと、他社での導入事例も顧客にとって参考になります。
顧客の入力内容に応じた具体的な購買タスクの選択肢を提供する機能です。
顧客が提供側に問い合わせをしなくても自身で商品やサービスを使いこなせるよう、コンテンツ内にチュートリアル機能や活用ガイドラインを用意しておきましょう。
今回は、バイヤーイネーブルメントの目的や重要性、具体的な内容などについて紹介しました。
営業活動は、商談以外にも顧客へのメールでの連絡や社内での報告、議事録の作成など多くの業務を行う必要があります。
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