消費者が商品やサービスを購入するときには、その存在に気がついてから購入を決断するまでの間に意識変容プロセスがあると考えられています。
これは購買行動モデルと呼ばれていて、コミュニケーション環境の違いによりいくつかのバリエーションがあります。
この記事では、購買行動モデルの一つであるAISASとその基礎になったAIDMAの違いや活用方法について紹介します。
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AISAS(アイサス)もAIDMA(アイドマ)もマーケティングにおける代表的な購買行動モデルの一つです。
どちらかといえばAIDMAのほうがよく知られているのは、その歴史が長いためです。
AIDMAは1920年代、AISASは2000年代に提唱されたので、80年ほどの開きがあります。
AIDMAは、サミュエル・ローランド・ホール(Samuel Roland Hall, 1876-)というアメリカの販売・広告の専門家・著作家が提唱者とされています。
マーケティング界の記念碑的著作である「Retail Advertising and Selling(1924)」の中で発表しています。
AIDMAが1920年代当時のアメリカで注目されたのは、当時、大工場での量産によって比較的安価な工業製品が大量に市場に投入され始めた時期と重なったためです。
大量に作られた商品を多くの消費者に向けて効率的に販売するにはロジカルで分析可能な方法論が求められていました。
そこでホールが提案したのは、顧客の購買行動を段階的に区分して、この区分ごとに適切なコミュニケーションを設計するという考え方でした。
実は、この考え方は19世紀末にセント・エルモ・ルイス(Elias St. Elmo Lewis, 1872-1948) によるAIDA(アイーダ)で、すでに提唱されていました。
そこに「記憶 Memory」という段階を加えたのがAIDMAです。
AIDMA以降、さまざまな購買行動モデルが提唱されきており、AISASはインターネット時代のモデルとして、記憶の代わりに「検索 Search」と「共有 Share」が定義されています。
AISASは、現代的なコミュニケーション環境とそれ以前の環境を比較する意味で、AIDMAとともに論じられることが多くなっています。
以下でその違いを詳しく見てみましょう。
AIDMAという5つのアルファベットは、5段階に区分された購買行動のそれぞれの段階を示しています。
基本的な意味とマーケターにとっての注意点は次のようなものです。
「知られないものは売れない」という公知性についての商品学の基本テーゼがあります。
いかに魅力的な商品を市場に投入しても、消費者がそのことに気が付いてなければ売れません。
消費者の意識を「知っている」または「思い出せる」状態に変える必要があります。
この段階でのマーケターの役割は、まずは知名度を向上させる広告コミュニケーションを考えることです。
魅力を感じないものには興味は湧きません。
興味が湧かなければ、その段階で販売の可能性は消失します。
マーケターはこの商品が「自分の生活の質の向上の役に立つ」ことを直感させるアプローチをとる必要があります。
製品の特徴を瞬時に理解できるようなコミュニケーションデザインが求められます。
興味を引きつけた後は、その商品との生活が必要不可欠であると感じさせる必要があります。
強い必要性は「欲しい」という欲求を喚起します。
このような購買欲を醸成させるためには、マーケターはより具体的で直接的な個別に語りかけるようなアプローチで消費者の気持ちを高めていきます。
AIDMAの前身であるAIDAでは定義されていなかった段階です。
生活のさまざまな場面で商品情報を思い出せるように、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのマス・メディアを利用します。
さまざまなメディアからの商品情報が繰り返しインプットされることで、消費者は興味・欲求をより高めていきます。
マーケターは複数のメディアでの相乗効果を狙ったメディアミックス戦略を考える必要があります。
なお、Mを「動機(Motive)」のMと解釈する立場や消費者の気持ちを「確信(Conviction)」に変える段階として、AIDCA(アイドカ)モデルと表現することもあります。
消費者の意識変容の最終段階です。
最終決断を促すために、最後のひと押しが必要になります。
マーケターは、決断する勇気を引き出すための非日常性を感じさせるイベントやキャンペーンを展開させます。
AIDMAが提案された時期の企業と消費者のコミュニケーション手段は、マス・メディアが独占していました。
現代では、マス・メディアとともに、コミュニケーションプラットフォームとしてのインターネットの存在が大きな比重を占めるようになっています。
特に、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などでは、情報の収集だけではなく、消費者自ら発信できるツールにもなっています。
いまや、企業と消費者の従属的関係は対等なものになりました。
そして消費者は、かつてのように企業からの情報を受動的に受けとるだけではありません。
消費者自身がSNS上で積極的に商品を「広告」することが可能になり、実際に売上に影響を与える状況になっています。
AISASはこのような現代的な購買環境を考慮して生まれました。
以下で、具体的な5段階をマーケターの活用方法も合わせて確認してみましょう。
インターネット時代になっても最初の段階は変わりません。
だだし、メディアの選択肢が広がり、マス・メディアだけではなく、インターネット上のWebサイトやSNSなどで多様な情報を得ることができます。
その反面、マーケターにとってはマルチなスキルが問われることにつながって負担が増える可能性があります。
専門家とのコラボレーションで効果的なメディアミックスを考えましょう。
マス・メディアには放送時間や紙幅によるコンテンツの量的制限がありました。
デジタル・メディアでは、そのような物理的制限はなくなり、より密度の高い情報を詳細に届けることでより深い興味を喚起できるようになりました。
Attention段階と同じように、マーケターはメディアごとの特性を考慮して、深堀りした情報を提供できるような戦略を提案する必要があります。
インターネット時代ならではの新しい段階です。
消費者はパソコンやスマートフォンを使って、WebサイトやSNSから能動的に情報を集めます。
その情報には、すでに商品やを購入した購買者によるプライベートな「評価 rating」が含まれており、その良し悪しが売上に直接影響を与える点に注意が必要です。
マーケターにとっては、対応できる限界を超えてしまうところもあります。
検索エンジンのSEO対策などを中心に、可能な限りポジティブな情報発信を目指します。
購買を決断するのが消費者の意思である点は、AIDMAの時代と変わりません。
インターネット時代のマーケターとしては、訴求するメディアの選択肢が増えたといえるでしょう。
ここで重要なのは、実際に購入する場面での感動的なシーンの演出です。
購入者の心にポジティブな印象を与えれば、次のShareの段階で高い評価を発信してもらえるでしょう。
従来のマーケティングの考え方でも「口コミ」などでの共有は意識されていました。
しかしながら、消費者がSNSなど発信型メディアで情報を扱えるようになり、口コミの拡散力が著しく拡大しています。
マーケターは、ネガティブな共有を極力コントロールするように戦略を整えておく必要があります。
今回は、AISASとその基礎になったAIDMAの違いや活用方法などについて紹介しました。
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