限られたシェアを奪い合わなければならない商戦において、スタープレイヤーに頼った営業活動では限界があります。
そこで注目されているのがアカウントプランに基づいた戦略的な営業活動です。
とはいうものの、そもそもアカウントプランとは何か、どのようにプランを作成すればよいのかよく分からないという人もいるでしょう。
そこで今回は、アカウントプランの概要や顧客分析、シナリオ作成の方法について紹介します。
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アカウントプランとは、営業担当者が顧客ターゲットとする企業の課題を個別に理解し、課題を解決するための計画を総合的にまとめたものです。
アカウント営業やソリューション営業を行う際の設計図やロードマップ、指南書のようなものだといえるでしょう。
ターゲット企業の誰に、いつ、誰が、どのように営業活動を行うのかをまとめたものです。
アカウント営業とソリューション営業やルート営業の違いがよく分からないという人もいるかもしれません。
アカウント営業もソリューション営業やルート営業も、ターゲット企業と課題を共有し、解決案を提示することでロイヤリティを発展させるという意味では同じです。
しかし、アカウント営業とソリューション営業やルート営業のもっとも大きな違いは、ターゲットを「面」ととらえるか「点」ととらえるかにあります。
ソリューション営業やルート営業の場合、少しでも多くのターゲットにアプローチすることで効果を最大化させることがその目的です。
見込み客が増えれば増えるほど売り上げも上がるわけです。
一方、アカウント営業ではターゲット企業をより精密に選別します。
そうして案件単位の短期的な関係性ではなく、より長期的な視点に立った関係性を築くことが目的です。
そのためにはターゲット企業が抱える事業課題を深く理解することが何よりも重要なポイントとなります。
ターゲット企業を深く理解してアカウントプランを作成するためには、あらかじめしっかりとした事前リサーチを行う必要があります。
また、課題解決のためには戦術と戦略を明確にしておくことが大切です。
アカウントプランの目的は作成することではなく実際に活用することだからです。
受注に至るまでには社内外のさまざまな関係者の協力が必要となります。
アカウントプランはそのような場合の重要なコミュニケーションツールでもあるのです。
一般的に、アカウントプランは1~3カ月を活動期間として区切ります。
そうして営業活動の状況に応じて計画・実施・検証・修正のPDCAサイクルを回していきます。
アカウントプランを作成する際、まずしなければならないのが顧客分析です。
顧客分析は以下の4つの手順に沿って行っていきます。
アカウントプランの作成には手間と時間がかかります。
そのため、まずはどのターゲット企業に対して優先的に営業活動を行うのかを選別しなければなりません。
そこで、対象を絞り込むために四象限マトリックスを作成しましょう。
縦軸を成長性、横軸をインストアシェアとして定めます。
ターゲット企業をこのマトリックスのそれぞれの位置に配置し、成長性、インストアシェア共に高い位置にあるターゲット企業を最重点顧客として定めます。
最重点顧客が定まったら、その企業のプロファイルを作成しましょう。
プロファイルには売上高や従業員数、財務情報といった基礎情報はもちろんのこと、業界や競合に関する情報も記載します。
プロファイル作成の際にはターゲット企業のビジネスモデルや利益を上げている仕組みについてよく理解しておくことが大切です。
そのうえで、ターゲット企業がどの部門や商品・サービスで利益を上げているのかも記載しましょう。
また、同業他社との比較も記載しておくとなおよいです。
次に、提案したい対象や周辺領域に関してターゲット企業のインストアシェアがどのようになっているかをプロダクトマップにまとめます。
既にターゲット企業と部分的に契約がある場合は契約更新時期や利用状況についてもマップに記載します。
このプロダクトマップは可能な限り鮮度の高いものにすることが大切です。
最後に、営業担当者独自のターゲット企業の組織図を作成します。
組織図の中で営業活動に協力的な人物や部署とそうでない人物や部署、購買プロセスにおける依存関係や意思決定プロセスの順序をまとめます。
そうして主要なコンタクト先を別表にまとめておきましょう。
顧客分析を行ったら、ターゲット企業における優先課題の抽出を行います。
企業の課題は経営レベルのものから現場レベルのものまでさまざまです。
経営レベルの課題の場合、どうしても一商材の提案では自社とターゲット企業との紐づけが弱くなってしまいます。
そのため、現場レベルの課題について自社の商材がどれだけターゲット企業に食い込めるのか、その粒度と内容、優先順位を明確にする必要があります。
ターゲット企業の課題と解決策になる自社の商品やサービスを横に並べた対比表を作成しましょう。
優先課題を抽出したら、業界の傾向と顧客事例を整理するために同業他社における自社の顧客をリストアップします。
そうして他社での活用事例をまとめ、ターゲット企業に提案できるかどうかを考えましょう。
あらかじめ他社での活用事例から課題に対して自社の商品やサービスがどのように価値を提供できるのかをパターン化しておくと便利です。
次に、顧客分析の際に用いたインストアシェアのプロダクトマップと顧客ステータスを照らし合わせてSWOT分析を行い、自社の強みと弱み、どのような機会と脅威があるかを明確にしましょう。
SWOT分析を行ったら提案機会の評価を行います。
ターゲット企業の優先課題に対し、類似の顧客事例から自社が提案するソリューションにどのような商機があるのかを表にまとめます。
その際、自社の商品やサービスの顧客内シェアだけでなく、クロスセル(既存顧客内新規)やアップセル(追加・リピート)、新規受注の見込みも記載しましょう。
そうして自社の商機(商品やサービスによって顧客の課題を解決した場合、どの程度の売り上げや利益を見込めるのか)を評価します。
提案機会と商機の評価に目途がついたら、実際にアクションプランを作成していきましょう。
商談の規模が大きくなればなるほど営業活動を行う上で多くのステークホルダーを巻き込むことになります。
そのため、誰が、いつ、どのように、誰にアプローチするのかをあらかじめ決めておくことが大切です。
既に述べたように、アカウントプランはただ作成しただけでは意味がありません。
プランに基づいて実際に営業活動を行ってこそ意味があります。
また、より優れたアカウントプランを作成するためには営業担当者個人の力だけでなく、上司やパートナー企業など多くの協力者が必要になります。
そこで重要になるのが仲間内での情報共有です。
チームでアカウントプランを作成し、実行することでより質の高い営業活動を行えるようになります。
今回は、アカウントプランの概要や顧客分析、シナリオ作成の方法などについて紹介しました。
営業活動は、商談以外にも顧客へのメールでの連絡や社内での報告、議事録の作成など多くの業務を行う必要があります。
営業活動の成果を最大化させるためには、上手くツールを活用して、顧客に向き合う時間を増やすことが重要です。
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